ComfyUI ローカル動画生成 第3弾

音まで一発生成 MiniMax H3
RTX 3090 のローカルPCに導入

オープンウェイト公開から11日。本体アップデート → 59GBダウンロード → 3モード検証まで

結果サマリー

5本
追加モデルファイル(計59GB)
3モード
T2V / I2V / R2V 全部動いた
約6分
480p・5秒動画1本の生成時間
0個
カスタムノード(本体更新のみ)

MiniMax H3 とは

Hailuo AI で知られる MiniMax 社が 2026年8月3日にオープンウェイト公開した、パラメータ数330億の動画生成モデル。最大の特徴は映像と「ステレオ音声」を1回の生成で同時に作ること。BGM・効果音・セリフ・歌声まで、あとから音を乗せるのではなく映像と一体で生成します。

項目スペック
出力最大2K・24fps・最長約15秒(2Kは内部アップスケール)
ネイティブ解像度短辺768px(最大 768×1344)
音声32kHz ステレオ。セリフは11言語対応(日本語含む)
ComfyUI 対応0.30.0 以上でネイティブ対応(公開初日から対応=Day-0サポート)
必要マシン公式は RTX 3060 でも動作可と明言(オフロード前提)

検証環境

項目内容
OSWindows 11
GPUNVIDIA GeForce RTX 3090(VRAM 24GB)
RAM32GB
ComfyUIポータブル版 0.33.0(0.29.0 から付属アップデータで更新。既存の SDXL / Wan 2.2 / LTX-2.3 環境は無変更)

必要スペック:「低スペックでも動く」は本当か

結論:「動く」は本当。ただし「快適」とは別問題です。ComfyUI には VRAM に入りきらないモデルをメインメモリ(RAM)へ逃がす仕組み(オフロード)があるため、VRAM の要件は意外と緩め。その代わり RAM と生成時間で払うことになります。

GPU(VRAM)の目安

VRAMGPU例実用度
8GBRTX 3050 / 4060 など▲ 実験レベル。コミュニティ報告では「ごく小さい生成に約20分」。常用はおすすめしない
12〜16GBRTX 3060 / 4060 Ti など○ 動く(ComfyUI 公式も 3060 動作に言及)。解像度は 480p 級(0.4)に抑え、フレーム数も控えめが前提。時間はかかる
24GBRTX 3090 / 4090◎ 実証済み。今回の検証環境。768p・12秒の長尺まで完走

GPU 以外(こちらが盲点)

項目目安
RAM(重要)32GB が最低ライン、64GB あると快適。オフロード方式のため実は VRAM より RAM がボトルネック。今回も 32GB 環境で生成中の空きが 2GB 台まで逼迫した
ディスク空き約 70GB(T2V/I2V のみなら約 45GB)
低スペック時のコツ解像度より先に秒数を削る(時間は秒数の2乗で効くため)。まず 480p・5秒以下から

※8〜16GB 帯の情報はコミュニティ報告・ガイドサイトの記述ベース(本ページで実測したのは 24GB のみ)。低スペック帯は「試せる」であって「実用的」とは限らない点に注意。

ダウンロードしたモデルと「選んだ理由」

入手元はすべて Hugging Face の Comfy-Org/MiniMax-H3(公開・認証不要)。ファイル名は変更禁止(テンプレートが名前を前提にしているため)。

ファイル役割配置先(models\ 以下)サイズ
minimax_h3_fl2va_pruned_int8_convrot.safetensors本体(T2V / I2V 用)diffusion_models\19.5GB
minimax_h3_ref2va_pruned_int8_convrot.safetensors本体(R2V 用・任意)diffusion_models\19.5GB
qwen3vl_32b_minimax_h3_nvfp4_awq.safetensorsテキストエンコーダ(プロンプト理解)text_encoders\14.6GB
minimax_h3_video_vae_fp16.safetensors映像VAE(内部データ→映像)vae\4.9GB
minimax_h3_audio_vae_fp32.safetensors音声VAE(内部データ→音声)vae\0.6GB

ファイル名の読み方 = 選んだ理由

本体には精度違いが5種類あり、無圧縮の bf16 版はなんと61.7GB。今回選んだのはその軽量版です。

名前の部品意味
fl2vaFirst/Last frame → Video+Audio。テキスト生成と画像起点生成の両対応版
ref2vaReference → Video+Audio。参照画像で見た目を固定する特化版
pruned影響の小さい部分を刈り込んだ軽量版
int8_convrot8bit圧縮。品質低下はごくわずかで容量は約1/3

「pruned + int8」= ComfyUI 公式推奨の最軽量構成。61.7GB → 19.5GB になり、VRAM 24GB + RAM 32GB のマシンで現実的に動くラインになります。

3つの生成モード

モード入力できること
T2V(テキストから動画へ)文章のみプロンプトから映像+音声を生成
I2V(画像から動画へ)画像1枚+文章画像を1コマ目にして動かす
R2V(参照から動画)参照画像 最大3枚+文章画像は1コマ目ではなく「出演者の見本」。キャラ・商品の見た目を固定したまま、まったく別の場面を生成

⚠ テンプレート検索「MiniMax H3」で出てくる同名の「API」バッジ付きは有料クラウド版。ローカル生成はバッジなしの方を選ぶこと。

実際の検証では、参照画像2枚(歌う女の子のイラスト+実写のギター)を渡して「その子がそのギターを弾き語りする12秒動画」まで生成できました。

検証結果:生成時間の実測データ

同じ RTX 3090 で条件を変えて5本生成した実測値。バーの長さ=かかった時間です。

① T2V |480p・5秒
366秒(約6分)
③ I2V |768p・5秒
1,224秒(約20分)
② T2V |768p・12秒
5,122秒(約1時間25分)
④ I2V |768p・12秒
5,298秒(約1時間30分)
⑤ R2V |参照2枚・768p・12秒
5,729秒(約1時間35分)

※768p = ネイティブ上限の 1344×768(0.98メガピクセル)。480p = 864×480(0.4メガピクセル)

数字から分かったこと

発見根拠
解像度は「ピクセル数」にほぼ比例480p→768p(面積2.5倍)で 366秒→1,224秒(3.3倍)
秒数は「2乗」で効く5秒→12秒(2.4倍)で 1,224秒→5,298秒(4.3倍)。長尺ほど加速度的に重くなる
R2V の参照画像コストは軽い参照2枚を足しても I2V 比 +8% 程度
RAM 32GB がボトルネック生成中は空きRAMが2GB台まで逼迫。他アプリを閉じないとスワップでさらに遅くなる

おすすめの運用

テストは「480p・5秒」(約6分)で数を打ち、当たりが出たら本番だけ「768p」で作り直す。12秒の長尺は1時間半コースなので、寝る前や外出前にキューへ積んでおくのが現実的です。キューは1本ずつ順番に処理されるので、複数積んで放置でOK。

プロンプトは「絵コンテ形式」が公式流

H3 のプロンプトは1文ではなく、4ブロック構成で書くと性能を最大限引き出せます(テンプレートのサンプルもこの形式)。

ブロック書くこと
① スタイル宣言映像の質感・レンズ・色調(アニメ調固定なら "no style drift" を追加)
② Scene overview誰が・どこで・何をしているかの全体像
③ StoryboardSHOT 1 [0s-4s]: ... のように秒数指定でカット割りまで指示できる
④ AudioBGM・効果音・セリフや歌。lips sync naturally で口の動きも同期

記述例(12秒・歌ものの短縮版)

2D anime illustration style, clean lineart, soft colors, no style drift. A white-haired girl records a vocal take in a minimalist white studio. SHOT 1 [0s-6s]: She takes a soft breath and begins to sing into the microphone; her lips sync naturally with the melody; slow push-in. SHOT 2 [6s-12s]: Close side profile across the pop filter; she holds a long heartfelt note, then eases off with a small relieved smile. Audio: an intimate female singing voice performing a gentle J-pop ballad in Japanese, soft room reverb, minimal piano backing.

日本語で作りたい動画のイメージを AI(Claude など)に伝えて、この形式の英語プロンプトへ変換させるのが一番ラクです。

ハマりどころと操作のコツ

コツ内容
解像度は 0.98 が実質上限解像度セレクターの 0.4=ほぼ480p、0.9=ほぼ720p、0.98(1344×768)=モデルの素の上限。それ以上(2.0=フルHD)は「引き伸ばし」に近く、時間だけ倍増する
数値が「—」で変えられない配線でつながった項目は実行時に値が流れ込む仕様。表示が連動しなくても効いている
途中で%表示が消えたブラウザ更新などで進捗通信が切れただけ。生成はサーバー側で継続中。本物の進捗は黒いサーバーウィンドウで確認
I2V は「Use Image Size」画像読み込み後にこのボタンを押すと縦横比を自動設定。歪み防止
duration は自動で丸まる内部で24fpsの17フレーム単位に調整される。5秒と入れてもピッタリ5.00秒にはならない
モデル切替はまとめてT2V/I2V(fl2va)⇔R2V(ref2va)の切替時は19.5GBの読み込み直しが入る。同じモードを連続で回すと効率的
同時実行はできない(しない)ComfyUI のキューは1本ずつ順番に処理。2本同時に回そうとしてもメモリの取り合いで逆に遅くなるだけ

制限とライセンス

技術的な制限

項目内容
解像度32の倍数に自動で丸められる(720指定→736出力 など)
長さ最長約15秒。ただし12秒で1時間半かかるので実用は要計画
スタイル維持イラスト調は実写に寄ることがある。"no style drift" 指定が保険になる

ライセンス(MiniMax H3 Community License)

項目内容
日本での利用OK(制限対象外の地域)
米国・EU・英国・韓国申請制。各地域のAI規制環境を理由に、既定ではローカル利用不可(公式は「not yet = 今はまだ」の一時措置と説明)
商用利用売上上限のような条項は現時点で未確認。利用前に配布元のライセンス全文と公式Q&Aを必ず確認(huggingface.co/MiniMaxAI/MiniMax-H3)

ローカル実行の心構え(全モデル共通)

ローカル生成には Web アプリのようなサーバー側の検閲がありません。ただし「弾かれない=何でもOK」ではなく、責任が運営会社から自分に移るということ。ライセンスの禁止用途、YouTube のコミュニティガイドライン(AI生成コンテンツの開示を含む)、法律(実在人物のディープフェイク等)は生成手段に関係なく適用されます。

🎁 視聴者プレゼント:環境構築ワンショットプロンプト

Claude Code や Codex などのエージェント AI にそのまま貼り付ければ、この動画と同じ環境を自動構築してくれるプロンプトです(NVIDIA GPU 搭載の Windows PC 向け)。

あなたはWindows PCの環境構築を代行するAIエージェントです。以下の手順で、ComfyUI 上で MiniMax H3(オープンウェイトの動画+音声同時生成モデル)をローカル実行できる環境を構築してください。各ステップは実行前に状況を確認し、完了ごとに結果を報告してください。 【0. 前提チェック】 - NVIDIA GPU(VRAM 12GB以上、24GB推奨)があること - ディスク空き容量が 70GB 以上あること(モデル約59GB+作業領域) - RAM 32GB 以上を推奨。不足時はダウンロードするモデルを減らす提案をすること 【1. ComfyUI の準備】 A) ComfyUI が未導入の場合:ポータブル版を導入する - https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI/releases/latest/download/ComfyUI_windows_portable_nvidia.7z をダウンロード - 7zr.exe(https://www.7-zip.org/a/7zr.exe)で任意のフォルダに展開 B) 導入済みの場合:バージョンを確認し、0.30.0 未満なら更新する - ポータブル版の更新は update フォルダの update.py を絶対パスで直接実行: \python_embeded\python.exe \update\update.py \ComfyUI\ 【2. モデルのダウンロード】 Hugging Face の Comfy-Org/MiniMax-H3 から以下4点を curl -L -C -(レジューム対応)でダウンロードし、ComfyUI\models\ 以下の指定フォルダに配置。ファイル名は変更禁止。 URL形式: https://huggingface.co/Comfy-Org/MiniMax-H3/resolve/main/<パス> 1. diffusion_models/minimax_h3_fl2va_pruned_int8_convrot.safetensors → models\diffusion_models\(19.5GB) 2. text_encoders/qwen3vl_32b_minimax_h3_nvfp4_awq.safetensors → models\text_encoders\(14.6GB) 3. vae/minimax_h3_video_vae_fp16.safetensors → models\vae\(4.9GB) 4. vae/minimax_h3_audio_vae_fp32.safetensors → models\vae\(0.6GB) (任意)「参照から動画」(R2V)も使う場合は追加で: 5. diffusion_models/minimax_h3_ref2va_pruned_int8_convrot.safetensors → models\diffusion_models\(19.5GB) ダウンロード後、各ファイルのサイズが配布元と一致することを確認すること。 【3. 起動と動作確認】 - run_nvidia_gpu.bat で起動し、http://127.0.0.1:8188/system_stats に GET してバージョンが 0.30.0 以上であること、GPU が認識されていることを確認 - http://127.0.0.1:8188/models/diffusion_models 等でモデルが認識されていることを確認 - ブラウザで http://127.0.0.1:8188 を開き、テンプレート検索「MiniMax H3」→「MiniMax H3:テキストから動画へ」(「API」バッジなしの方)を開いてモデル欄が自動セットされていれば完了 【注意事項】 - 「API」バッジ付きテンプレートは有料クラウド版なので使わない - 初回生成はモデル読み込みで開始まで数分かかる(フリーズではない) - テスト生成は解像度セレクター 0.4(480p)・5秒から始めること(RTX 3090 で約6分) - 解像度 0.98(1344×768)がこのモデルのネイティブ上限。それ以上は非推奨 - 生成中は他の重いアプリを閉じること(RAM 32GB では逼迫するため)