オープンウェイト公開から11日。本体アップデート → 59GBダウンロード → 3モード検証まで
Hailuo AI で知られる MiniMax 社が 2026年8月3日にオープンウェイト公開した、パラメータ数330億の動画生成モデル。最大の特徴は映像と「ステレオ音声」を1回の生成で同時に作ること。BGM・効果音・セリフ・歌声まで、あとから音を乗せるのではなく映像と一体で生成します。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 出力 | 最大2K・24fps・最長約15秒(2Kは内部アップスケール) |
| ネイティブ解像度 | 短辺768px(最大 768×1344) |
| 音声 | 32kHz ステレオ。セリフは11言語対応(日本語含む) |
| ComfyUI 対応 | 0.30.0 以上でネイティブ対応(公開初日から対応=Day-0サポート) |
| 必要マシン | 公式は RTX 3060 でも動作可と明言(オフロード前提) |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| OS | Windows 11 |
| GPU | NVIDIA GeForce RTX 3090(VRAM 24GB) |
| RAM | 32GB |
| ComfyUI | ポータブル版 0.33.0(0.29.0 から付属アップデータで更新。既存の SDXL / Wan 2.2 / LTX-2.3 環境は無変更) |
結論:「動く」は本当。ただし「快適」とは別問題です。ComfyUI には VRAM に入りきらないモデルをメインメモリ(RAM)へ逃がす仕組み(オフロード)があるため、VRAM の要件は意外と緩め。その代わり RAM と生成時間で払うことになります。
| VRAM | GPU例 | 実用度 |
|---|---|---|
| 8GB | RTX 3050 / 4060 など | ▲ 実験レベル。コミュニティ報告では「ごく小さい生成に約20分」。常用はおすすめしない |
| 12〜16GB | RTX 3060 / 4060 Ti など | ○ 動く(ComfyUI 公式も 3060 動作に言及)。解像度は 480p 級(0.4)に抑え、フレーム数も控えめが前提。時間はかかる |
| 24GB | RTX 3090 / 4090 | ◎ 実証済み。今回の検証環境。768p・12秒の長尺まで完走 |
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| RAM(重要) | 32GB が最低ライン、64GB あると快適。オフロード方式のため実は VRAM より RAM がボトルネック。今回も 32GB 環境で生成中の空きが 2GB 台まで逼迫した |
| ディスク空き | 約 70GB(T2V/I2V のみなら約 45GB) |
| 低スペック時のコツ | 解像度より先に秒数を削る(時間は秒数の2乗で効くため)。まず 480p・5秒以下から |
※8〜16GB 帯の情報はコミュニティ報告・ガイドサイトの記述ベース(本ページで実測したのは 24GB のみ)。低スペック帯は「試せる」であって「実用的」とは限らない点に注意。
入手元はすべて Hugging Face の Comfy-Org/MiniMax-H3(公開・認証不要)。ファイル名は変更禁止(テンプレートが名前を前提にしているため)。
| ファイル | 役割 | 配置先(models\ 以下) | サイズ |
|---|---|---|---|
| minimax_h3_fl2va_pruned_int8_convrot.safetensors | 本体(T2V / I2V 用) | diffusion_models\ | 19.5GB |
| minimax_h3_ref2va_pruned_int8_convrot.safetensors | 本体(R2V 用・任意) | diffusion_models\ | 19.5GB |
| qwen3vl_32b_minimax_h3_nvfp4_awq.safetensors | テキストエンコーダ(プロンプト理解) | text_encoders\ | 14.6GB |
| minimax_h3_video_vae_fp16.safetensors | 映像VAE(内部データ→映像) | vae\ | 4.9GB |
| minimax_h3_audio_vae_fp32.safetensors | 音声VAE(内部データ→音声) | vae\ | 0.6GB |
本体には精度違いが5種類あり、無圧縮の bf16 版はなんと61.7GB。今回選んだのはその軽量版です。
| 名前の部品 | 意味 |
|---|---|
fl2va | First/Last frame → Video+Audio。テキスト生成と画像起点生成の両対応版 |
ref2va | Reference → Video+Audio。参照画像で見た目を固定する特化版 |
pruned | 影響の小さい部分を刈り込んだ軽量版 |
int8_convrot | 8bit圧縮。品質低下はごくわずかで容量は約1/3 |
→ 「pruned + int8」= ComfyUI 公式推奨の最軽量構成。61.7GB → 19.5GB になり、VRAM 24GB + RAM 32GB のマシンで現実的に動くラインになります。
| モード | 入力 | できること |
|---|---|---|
| T2V(テキストから動画へ) | 文章のみ | プロンプトから映像+音声を生成 |
| I2V(画像から動画へ) | 画像1枚+文章 | 画像を1コマ目にして動かす |
| R2V(参照から動画) | 参照画像 最大3枚+文章 | 画像は1コマ目ではなく「出演者の見本」。キャラ・商品の見た目を固定したまま、まったく別の場面を生成 |
⚠ テンプレート検索「MiniMax H3」で出てくる同名の「API」バッジ付きは有料クラウド版。ローカル生成はバッジなしの方を選ぶこと。
実際の検証では、参照画像2枚(歌う女の子のイラスト+実写のギター)を渡して「その子がそのギターを弾き語りする12秒動画」まで生成できました。
同じ RTX 3090 で条件を変えて5本生成した実測値。バーの長さ=かかった時間です。
※768p = ネイティブ上限の 1344×768(0.98メガピクセル)。480p = 864×480(0.4メガピクセル)
| 発見 | 根拠 |
|---|---|
| 解像度は「ピクセル数」にほぼ比例 | 480p→768p(面積2.5倍)で 366秒→1,224秒(3.3倍) |
| 秒数は「2乗」で効く | 5秒→12秒(2.4倍)で 1,224秒→5,298秒(4.3倍)。長尺ほど加速度的に重くなる |
| R2V の参照画像コストは軽い | 参照2枚を足しても I2V 比 +8% 程度 |
| RAM 32GB がボトルネック | 生成中は空きRAMが2GB台まで逼迫。他アプリを閉じないとスワップでさらに遅くなる |
✅ テストは「480p・5秒」(約6分)で数を打ち、当たりが出たら本番だけ「768p」で作り直す。12秒の長尺は1時間半コースなので、寝る前や外出前にキューへ積んでおくのが現実的です。キューは1本ずつ順番に処理されるので、複数積んで放置でOK。
H3 のプロンプトは1文ではなく、4ブロック構成で書くと性能を最大限引き出せます(テンプレートのサンプルもこの形式)。
| ブロック | 書くこと |
|---|---|
| ① スタイル宣言 | 映像の質感・レンズ・色調(アニメ調固定なら "no style drift" を追加) |
| ② Scene overview | 誰が・どこで・何をしているかの全体像 |
| ③ Storyboard | SHOT 1 [0s-4s]: ... のように秒数指定でカット割りまで指示できる |
| ④ Audio | BGM・効果音・セリフや歌。lips sync naturally で口の動きも同期 |
日本語で作りたい動画のイメージを AI(Claude など)に伝えて、この形式の英語プロンプトへ変換させるのが一番ラクです。
| コツ | 内容 |
|---|---|
| 解像度は 0.98 が実質上限 | 解像度セレクターの 0.4=ほぼ480p、0.9=ほぼ720p、0.98(1344×768)=モデルの素の上限。それ以上(2.0=フルHD)は「引き伸ばし」に近く、時間だけ倍増する |
| 数値が「—」で変えられない | 配線でつながった項目は実行時に値が流れ込む仕様。表示が連動しなくても効いている |
| 途中で%表示が消えた | ブラウザ更新などで進捗通信が切れただけ。生成はサーバー側で継続中。本物の進捗は黒いサーバーウィンドウで確認 |
| I2V は「Use Image Size」 | 画像読み込み後にこのボタンを押すと縦横比を自動設定。歪み防止 |
| duration は自動で丸まる | 内部で24fpsの17フレーム単位に調整される。5秒と入れてもピッタリ5.00秒にはならない |
| モデル切替はまとめて | T2V/I2V(fl2va)⇔R2V(ref2va)の切替時は19.5GBの読み込み直しが入る。同じモードを連続で回すと効率的 |
| 同時実行はできない(しない) | ComfyUI のキューは1本ずつ順番に処理。2本同時に回そうとしてもメモリの取り合いで逆に遅くなるだけ |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解像度 | 32の倍数に自動で丸められる(720指定→736出力 など) |
| 長さ | 最長約15秒。ただし12秒で1時間半かかるので実用は要計画 |
| スタイル維持 | イラスト調は実写に寄ることがある。"no style drift" 指定が保険になる |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日本での利用 | OK(制限対象外の地域) |
| 米国・EU・英国・韓国 | 申請制。各地域のAI規制環境を理由に、既定ではローカル利用不可(公式は「not yet = 今はまだ」の一時措置と説明) |
| 商用利用 | 売上上限のような条項は現時点で未確認。利用前に配布元のライセンス全文と公式Q&Aを必ず確認(huggingface.co/MiniMaxAI/MiniMax-H3) |
ローカル生成には Web アプリのようなサーバー側の検閲がありません。ただし「弾かれない=何でもOK」ではなく、責任が運営会社から自分に移るということ。ライセンスの禁止用途、YouTube のコミュニティガイドライン(AI生成コンテンツの開示を含む)、法律(実在人物のディープフェイク等)は生成手段に関係なく適用されます。
Claude Code や Codex などのエージェント AI にそのまま貼り付ければ、この動画と同じ環境を自動構築してくれるプロンプトです(NVIDIA GPU 搭載の Windows PC 向け)。